カブクワ【産卵のさせ方】

外国産の昆虫は20～24度の室内温度の環境があれば、1年を通じてブリードが楽しめます。
成虫が転んでもしっかりと起き上がれるか、エサをしっかり食べているか観察します。


飼育昆虫の場合は交尾をしないと産卵しません。
なおかつ、羽化して間もない成虫は、まだ成熟していないので交尾・産卵ができません。
産卵セットを組む前に、オスメスそれぞれの成虫の成熟具合を確認します。
だいたい羽化から２～３週間後が目安になりますが、ケース内を動き回ったり、
エサに食いつくようになればほぼ成熟しています。
しっかりエサが食べられるようになったら繁殖可能な状態となります。
成虫の大きさによっても成熟するまでの時間に変化があります。
大きい個体ほど成熟に時間がかかり、小さい個体ほど早く成熟する傾向があります。 すぐに交尾を始めなくても大丈夫です！
確実に交尾を行なった否かの確認はなかなか難しいですが、１週間もオスメス一緒に
おれば交尾は完了していると思います。
気性の荒いオスはペアリング時にメスを殺してしまうことがあるので、アゴを縛ります。
気性が荒い種類をペアリングするときは後食期間をしっかりと取るようにして下さい。
クワガタムシのオスは交尾した後もメスの近くにいます。
メスを他のオスに横取りされないようにするためです。
これをメイトガードといいます
ペアリングが終わったらメスのみを産卵セットに入れます。
購入した昆虫が野外採集品の場合、ほとんどは野外で交尾が終わっています。
野外品の単品のメスを購入した場合、卵を産む可能性がありますので
（野外で交尾を終えている可能性があります)
一度産卵セットにいれてみて下さい。
交尾が終わっているかどうか心配なら一度交尾をさせましょう。
メスをオスと一緒に産卵セットに入れない方がよいです。
オスが産卵の邪魔をしてメスの体力を消耗させたり、卵を潰したり、
孵化してきた幼虫を食べてしまうことがあります。
産卵セットに入れたメスは早いとその当日から卵を産み始めます。
通常はメスがマットに潜っている時間が増えてきたら、卵を産んでいる可能性が高いです。
産む個数にはバラつきがあり、一匹で100個産む個体もいれば、全く産まない個体もいます。
いつまでたっても卵を産まない場合は、オスメスの同居からやり直してみてもいいです。


カブト⇒マットに産卵
野外では腐葉土や堆肥の中に産卵します。
飼育の場合はショップで販売されている発酵マットを用意します。
販売されているマットはそのままでは水分量が適切ではありません。
手で握ってみて形が崩れない程度の水分量に調節しましょう。
マットの下３分の２は固く詰め、上３分の１は柔らかく詰めるのが理想です。
木製のマットプレスを使うのがお勧めです。
早いと産卵セットを組んだ当日から卵を産み始めます。
卵はちょっとしたショックでも割れてしまうことがある為、専用のスプーンや
ピンセットを使用します。
適当な容器に産卵に使ったマットを入れ、そこに小さい穴を空けて卵を入れておきます。
産まれたばかりの卵は白く、少し細長い丸型をしています。
数日後には初めの2倍くらいの大きさになっています。
しばらくすると幼虫は大アゴで卵のカラの弱くなった所を破って頭を出します。
このように卵の中から幼虫が出てくることを「孵化」といいます。
卵から幼虫になる期間は個体温度により異なります。
幼虫は産卵セット内のマットを食べて育ちますので、幼虫になるまで２～3か月
待ってからケースをひっくり返してみるのもよいと思います。

クワガタ⇒産卵木に産む種が多くいます。
《ケース内に産卵木を入れる前には下準備が必要です》
１ケースに産卵木をできれば２～３本用意して下さい。
メスにも産卵木の好みがあるからです。
1,産卵木をケースやバケツに入れ、半日程水に浸しておく。
　蓋に重しをして全体に水がいきわたる様にします。
　木の中にいる虫を退治する効果もあります。
　浸す時間は木の太さにより加減して下さい。
2,産卵木を取り出し、半日程日陰で乾かす。
3,産卵木の皮を丁寧に剥いていく。
　道具を使用する時は怪我をしないように気をつけて下さい。

オオクワの産卵木


マンディブラリスフタマタクワガタの産卵木


ギラファノコギリクワガタの産卵木


タランドゥスオオツヤクワガタの産卵木


数週間後⇒木の中にいる卵や幼虫を取り出します。
時間の経過を目安にします。
オオクワは産卵木にもぐり、木をボロボロにするので産んでいるか分かりますが、
セアカフタマタの場合、材の表面をかじりそこに卵を産みつけるので見ためは
セット作成時とあまり変わりません。
割り出しペンチやマイナスドライバーを使えば、小さな幼虫を傷つけずに取り出せます。

タランドゥスオオツヤクワガタの卵は緑色をしています
〈卵〉

産まれたばかりの卵は楕円形で白い。

数日かけて膨らみ、茶色味がかってくる。