カブクワ【蛹】

幼虫が前蛹になる
やがて幼虫が黄色くなって、足が縮こまっていたり、皮ふがシワシワになって、
動かなくなってきます。
この状態を前蛹（ぜんよう）と呼びます。
成虫になる前段階が蛹です。
マットの減りが遅くなったり、フンの量が減ったりしてきたら蛹化が始まっていると考えます。

こんな幼虫を見かけたら蛹になる間近なので、注意して観察!
・エサをあまり食べなくなってきた
・容器の側面に空間をつくっている
・シワシワになってじっとしている
・たまに動いて腹筋運動（のような？）をしている
蛹はじっとして動かないイメージがありますが、腹部をクネクネと動かすことができます。
この時期が近づくと体から出る分泌液を使って、蛹になる部屋蛹室をつくり始めます。蛹室を作るとエサも食べなくなります。
蛹室の壁はフンなども固めて作るのでつるつるで硬くなっています。
この時期に蛹室内に水分が流れ込んでしまうと綺麗に羽化できないことがありますので
水分調整に気をつけて下さい。
蛹室を作って数週間するといよいよ蛹化が始まります。
この時期になればケースを暗くて振動が少なくなるべく動かさなくてよい所に置きます。
蛹化してすぐの蛹は、色が白く皮ふも柔らかいですが、時間が経つと茶色に変わっていき
皮ふも固くなっていきます。
このときオスの頭部と前胸部に綱ができます。
この蛹化の瞬間が、一番デリケートな時期です。
蛹に少しでも傷がつくと死んでしまいます。
蛹室ができたら振動を与えないようにして、無事に羽化してくれることを祈ります。
蛹室は壁面を利用して作ることが多いので、きれいに作った時は成虫になるシーンを
観察することができます。
アゴの大きいクワガタムシは体を折り曲げた状態になっていることがあります。

蛹室内で冬を過ごし、翌年の夏に活動を開始する種類もいます。
また種類により蛹室は縦だったり、横だったりします。
例えば、国産カブトは縦ですが、ヘラクレスオオカブトは横につくります。
幼虫をいくつも飼育される場合はそのうちの１頭くらいは人工蛹室で鑑賞してみるのも
いいかもしれません。


蛹室を壊してしまったらすぐにじんこうようしつにかえてあげたほうがいいとおもいます。>羽化ズレについて 羽化ズレを起こしやすい種類
ノコギリ、ミヤマ、メタリフェル、ヘラクレス、ネプチューン、黒いゾウカブト

羽化ズレを起こしにくい又は問題になりにくい種類オオクワガタ、ヒラタ、ニジイロ、その他小型種
その①メスをオスよりやや低温で飼育する。
又はオスを高めの温度にして早く羽化させる。
その②大きなケースで多頭飼育する。
但し、クワガタ・カルコソマ属以外のカブトムシのみ可能。

その③複数ペアを用意し、産卵させるタイミングをずらす。